ハンマーは何回打ち下ろされるか?―マーラー6番―

 マーラーの交響曲第6番第4楽章では、巨大なハンマーが打楽器奏者によって打ち下ろされる。完成当時の自筆スコアには青鉛筆で5回書き込まれたそうだが、3回に減らされて出版にいたった。現行の全集楽譜では3回目が削除され、ハンマーの登場は2回になっている。

 この回数の変遷ついては、金子健志の『こだわり派のための名曲徹底分析 マーラーの交響曲』に実に詳しい記述がある。私がこれまで生で見た演奏では2回が普通であったが、今日見たバーンスタイン&ウィーン・フィルのマーラー全集DVDでは3回であった。指揮者の判断でどちらの場合もあるようである。

 それにしてもこのハンマー、奏者がステージ上で振りかざした時はドキドキするが、このところお目にかかる機会がない。久しぶりにコンサートで見てみたいものである。